【古典】天人合一思想(2)

天人合一思想に関する古典の記述です。

黄帝曰く、夫れ古より天に通ずる者は、生の本もて、陰陽に本づく。天地の間、六合の内、其の気、九州、九竅、五蔵、十二節、皆天気に通ず。其れ五を生じ、其の気、三なり。数しば此れを犯す者は、則ち邪気人を傷る。此れ寿命の本なり。

蒼天の気、清浄なれば則ち志意治まる。これに順なれば、則ち陽気固し。賊邪ありといえども、害すること能わざるなり。此れ時の序に因るなり。故に聖人は精神を伝し、天気を服して、神明に通ずるなり。これを失えば則ち内、九竅閉ざされ、外、肌肉ふさがれ、衛気、散解す。此れを自ら傷ると謂う。気の削なり。

黄帝曰.夫自古通天者.生之本.本於陰陽.天地之間.六合之内.其氣九州.九竅.五藏.十二節.皆通乎天氣.其生五.其氣三.數犯此者.則邪氣傷人.此壽命之本也.

蒼天之氣清淨.則志意治.順之則陽氣固.雖有賊邪.弗能害也.此因時之序.故聖人傳精神.服天氣.而通神明.失之則内閉九竅.外壅肌肉.衞氣散解.此謂自傷氣之削也.

『素問』生気通天論篇第三より一部抜粋

『素問』生気通天論篇第三では、まず「天に通ずる者」という記載があります。これは、天(自然界)の法則、自然の理にしたがって生きている者と解釈できます。人も自然界の一部であるので、自然界の法則に沿って生きることが、天寿を全うできる生き方であるといえます。その法則は、「陰陽に本づく」とあるように陰陽思想であり、「其れ五を生じ」とは五行思想のことであり、「其の気、三なり」とは陰陽は三つの陰と三つの陽にも分けられる(三陰三陽=陽明・太陽・少陽と太陰・少陰・厥陰)ことを言っています。

陰陽五行思想が、自然界(天)の法則であることを言っており、それに人も順じて生きていけばよく、強い生命力が維持でき、「神明に通ずるなり」つまりこれは「天に通ずる」と同じような意味になりますが、例えば人間離れした能力を得られるという風な意味もあるとは思いますが、それも含めて人生を目一杯生ききる、生命を目一杯活かすことができる、という風に解釈しています。

参考図書

『現代語訳黄帝内経霊枢』東洋学術出版社

『現代語訳黄帝内経素問』東洋学術出版社