【古典】天人合一思想(3)

黄帝曰く、寒温和適し、腠理開かざるあり。然れども卒かに病む者あり。其の故なんぞや。

少師答えて曰く、帝は邪の入るを知らざるか。平居すと雖も、其の腠理の開閉緩急、其れ故より常に時あるなり。

黄帝曰く、聞くことを得べきか。

少師曰く、人は天地と相参ずるなり、日月と相応ずるなり。故に月満つれば則ち海水西に盛んいして、人の血気積み、肌肉充ち、皮膚こまかく、毛髮堅く、腠理郄ぢ、煙垢著く。是の時に当たり、賊風に遇うと雖も、其の入るや浅くて深からず。其の月郭空むなしきに至れば、則ち海水東に盛んいして、人の気血虚し、其の衛気去り、形独り居り、肌肉減り、皮膚ゆるみ、腠理開き、毛髮そこなわれ、膲理しょうり薄く、煙垢落つ。是の時に当たり、賊風に遇えば則ち其の入るや深く、其の人を病ますや卒暴なり。

黄帝曰.有寒温和適.腠理不開.然有卒病者.其故何也.

少師荅曰.帝弗知邪入乎.雖平居.其腠理開閉緩急.其故常有時也.

黄帝曰.可得聞乎.

少師曰.人與天地相參也.與日月相應也.故月滿則海水西盛.人血氣積.肌肉充.皮膚緻.毛髮堅.腠理郄.煙垢著.當是之時.雖遇賊風.其入淺不深.至其月郭空.則海水東盛.人氣血虚.其衞氣去.形獨居.肌肉減.皮膚縱.腠理開.毛髮殘.膲理薄.煙垢落.當是之時.遇賊風.則其入深.其病人也卒暴.

『霊枢』歳露篇第七十九より一部抜粋

『霊枢』歳露篇第七十九では、人が天地とどのように対応するかについて、特に月の満ち欠けと身体の変化について記されています。

月が満ちると共に身体(生命)は活発になり、風邪を引きにくく、あるいは引いても重病にはならない、と。逆に月が欠けてくれば、身体(生命)は機能が減退してしまい、風邪などの病にかかると重くなりがちであったり、急激に発病する、とされています。

月の満ち欠けは自然のリズムといえます。人も自然と一体の存在として自然のリズムに沿っていることを言っています。

参考図書

『現代語訳黄帝内経霊枢』東洋学術出版社

『現代語訳黄帝内経素問』東洋学術出版社