【東洋医学】ストレス(2)

こんにちは、わしだです。

本ブログでは、様々な切り口を通して

「東洋医学とは何か?」をまとめています。

今日は、ストレス(1)の続きです。

前回は、

ストレスとは「心が穏やかでない状態」として

不快な感情だけではなく、喜びのような好ましいとされる感情も

度を越すと生命のバランスを崩してしまうことになりかねない、という話でした。

今回は、その生命のバランスについて

考えてみたいと思います。

東洋医学では、バランスを重視します。

では、何と何のバランスなのか、

というのは様々あって、

東洋医学ではそれを

生命の「陰」という側面と「陽」という側面で

見ています。

例えば、

体内で、熱さと冷たさのバランスをとり

温度調節をすることで

体内の温度を一定に保って生命を維持しています。*恒温動物の場合です。

ちなみに、変温動物は、環境の温度に合わせて体温は変化しますが、

熱くなり過ぎたり、冷たくなり過ぎたら当然生命の危険がありますので

そうならないように環境をうまく利用するような行動をしています。

例えば、トカゲは日光浴をして体温をまずしっかりと上げてから行動するそうです。

つまり、行動によって環境を利用し、それによってうまく体温管理をしているようです。

これも、恒温動物のように体内でバランスを取ってはいませんが、

環境までを含めて行動によって、熱と冷のバランスを取っていることになりますね。

いずれにしても、

どちらか一方が強くなれば、つまり、熱が高まってしまえば

熱中症で生命を落とすこともあります。

冷え過ぎれば凍死してしまいます。

生命にとってこのような温度のバランスはとても重要です。

この熱と冷という2つの側面を

東洋医学では、陰(冷)と陽(熱)、という

言葉で表現しています。

適温(平熱)という状態は、

温かくする働きと、

冷たくする働きが

バランスを取っているからこそ、

ちょうどよい温度が成り立っている、

と考えるわけですね。

この「陰陽」は熱と冷だけでなく、様々なバランスに当てはめることが

できます。

上と下、だったり、

昼と夜、だったり。

例えば、睡眠も、寝過ぎであっても寝不足であっても良くないですし

仕事や勉強、運動をしっかりするためには、

それに見合う休息がなければなりません。

これもバランスです。

仕事や勉強や運動などの活動は「陽」であり、

休息(睡眠)は「陰」となります。

このように生命は必ず陰と陽のバランスの上に

成り立っています。

またこの陰陽のバランスの他にも

「五蔵(肝・心・脾・肺・腎)」という5つの働きのバランスもあります。

この五蔵とは、東洋医学独特の考え方です。

五蔵は、生命活動全てを担っている5つの要素のことで

生命を考える上での根本となりますので、

項をあらためて考えたいと思います。

東洋医学はバランスを考える医学です。

ただ、バランスといっても

天秤にかけるようなバランスだけでなく、

リズムであったり、

各要素の関係がスムーズであることであったり、

かなり幅広い意味でのバランスといえます。

バランスというより「調和」という表現がふさわしいですね。

いずれにしても

陰陽の調和とともに、

この五蔵の調和が取れていることによって、

精神的にも肉体的にも健やかで

自然に憩い、満ち足りた日々を送りながら天寿を全うできると

としています。

さて、この調和が取れている状態、

これは、実は裏を返すと

生命は常に調和を崩している、ことにもなります。

崩しては戻り、崩しては戻りというサイクルを繰り返しています。

どういうことか、というと

例えば、部屋の中が寒かったら

身体は冷えてしまいます。

冷えると身体はバランスを取り戻そうとして

熱を発生させます。

温度が一定の環境は存在しません。

自然はいつも変化し続けています。

それによって人間も常にバランスを崩しますが、

それを戻す働きがあることで

ほどよいところを保っています。

常にヤジロベーが動いているような状態が生命です。

完全に常に一定のバランス状態、というのはあり得ません。

多かれ少なかれバランスを崩し、そして戻り、また崩して、という現象を

繰り返しているのが生命です。

これが大きく崩せば、「病気」ということになりますが、

小さく崩せば「疲れ」くらいで済むことになります。

すべて程度の差になります。

暑さ寒さ、外からの刺激も様々です。

人間関係による刺激も様々あります。

そういった様々なつながり、環境の中に生命はあり、

その中で調和をその都度その都度、保とうとしています。

過剰な感情は生命のバランスを崩しますが、

寒くなったら熱さが沸き起こるのが当然であるように、

感情自体は自然なもので、ある意味生理現象です。

感情自体に良い悪いはありませんし、

感情を抑え込むことは自然の働きを抑えてしまうことになり

スムーズに調和を取り戻せなくしてしまうこともあります。

かといって、感情のままに、という生き方も

普通に考えると、調和的な生き方ではないといえます。

温度同様に、陰陽で考えると

感情についても抑えるか抑えないかの二者一択ではなく、

これも程度問題です。

熱さと冷たさのバランスをうまく取りながら、ほどよい調和を保つことが

大事になりますし、

感情の制御自体に目を向けるよりも

その背景にあるもの、が重要になります。

中身、メカニズムが重要になります。

どちらにしても仮に感情が生理現象であるとすれば、

それは、調和を保つために生じる現象です。

調和を乱すために起こるものではないはずです。

つまり、問題は、

本来、調和を取り戻すための、

自然で、当然の生理現象であるはずの感情が

生命の調和を乱してしまうこと、健康を損なうこと、です。

ストレス感情に対しては、

その「中身」に目を向けることが大事になります。

〜次回へ続きます〜